社会福祉法人やまばと会
こばと保育園
太陽と、水と、土にまみれて大きくなあれ!
〒811-1355福岡市南区桧原4丁目36-25
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発達の順序を大切にする保育
いま、多くの子どもたちから乳幼児期という「子ども時代」が急速に奪われつつあります。親たちの子育ての不安に応えるかのように、早期教育を売り物にする保育が拡大し、育児用品も子どもの発達に沿ったものでなく、大人にとって便利なものが出回っています。早期教育は、“子どもが喜ぶから”をキーワードにしていますが、子どもたちは楽しいからではなく愛着のある親が喜ぶから受け入れているのです。乳幼児期の子どもたちは、周囲にあるすべてものや自然に関心を持ち、すべての感覚神経を総動員して身近な世界を認識しているのです。
廣木克行さん(神戸大学名誉教授)は、乳幼児期とは、「ヒトから人間になる」時代で、植物に例えると植物は根から育ちが始まり、根が自分で水分や養分を吸い上げることが出来るようになるまで発芽しません。しかし目に見えない土の中で根は着実に成長し芽を出し葉をつけ、やがて花や実を実らせていく。「いのちあるものものすべてには、育つ順序がある」と話しています。乳幼児期とは、ちょうどこの目に見えない「根」を地中に伸ばす時期だと思います。「根」を伸ばすとは、五感を発達させ感情を豊かにすることであり、身体の育ちを保障することです。
子どもの身体と心の発達を研究されている正木健雄さん(日本体育大学大学院名誉教授)は、人間の大脳の活動には、興奮させる力とそれを抑制する(ブレーキをかける)力があって、そのバランスによって人間は自分の活動をコントロールしているといわれています。大脳を正常に発達させるには、乳幼児期から10歳くらいまでは、興奮する力を育てることが大事だと話しています。こばと保育園では、このお二人に学びながら保育実践を積み上げてきました。乳幼児期の「生活」と「あそび」を保護者の方と園が手をつないで子どもが真ん中にいる保育を目指しています。